「すぐに、今だ!」、兵士が市民に避難を叫ぶ


首都キエフで攻撃続く、地下シェルターに駆け込む市民

「すぐに、今だ!」、兵士が市民に避難を叫ぶ

ウクライナの鉄道駅で、眠った子を抱く女性=26日、西部リビウ(AFP時事)

 「みんな、すぐに、今だ!」。ロシア軍の攻撃にさらされているウクライナの首都キエフでは26日、爆発した手投げ弾や砲弾の残骸が道に散らばる中、おしゃべりをしていた高齢の女性たちや中年の男性たちに向かってウクライナ兵が直ちに避難するよう叫んだ。

 迫撃砲かミサイルか、頭上ではシューという音が響く。みんなが一斉に走りだし、地下シェルターに通じる暗い階段に駆け込むと、中には既に、疲れ切った表情の一団が避難していた。

 ITエンジニアのヘルガ・タラソワさん(36)は、幼い息子と友人とで、隣国ポーランドへの脱出も可能な西部リビウに逃れるはずだった。しかし、駅の手前のバス停で攻撃が始まり断念。「あと800メートルだった」と悔しさをにじませる。

 「早産しないように、できる限り安静に努めている」と話すユリア・スニツカさん(32)は妊娠8カ月。「夜に1時間以上、大きな爆発があった。数日中に全てが終わることを願っている」と不安な心境を語った。

 一方、住民たちは、ロシアの侵略軍を混乱させるため、通りの名前や建物の番号などの都市表示を隠し始めた。年金生活者のタチアナ・フィロネンコさんは「戦時下で国民ができることは、踏ん張り、団結し、助け合うことだ」と話した。(キエフAFP時事)