「仕方ない」「買いだめ忘れた」
増税初日、通勤客らため息
消費税増税初日の1日午前、通勤途中のサラリーマンらは、買い慣れた品物が前日までと異なる値段で販売されていることに「仕方ないんだけど」とため息をつきながら、職場に向かった。
始発から、同一区間でも切符とIC乗車券とで金額が異なる「二重運賃」を適用したJR東日本。新宿駅(東京都新宿区)では午前1時10分ごろ、職員が新運賃表を隠していた張り紙を剥がし、通勤時間帯になると、金額の差を確かめるように表を見上げる乗客の姿も見られた。
IT系企業の営業職飯島信一さん(58)は「会社にIC乗車券の運賃で交通費を請求しないといけない」と、この日回る予定の営業先までの金額をメモ書き。「1円刻みで経費を精算するのは面倒だ」とため息をついた。
駅構内のコンビニ店でたばこを購入した飲食店勤務の佐藤志朗さん(64)は「買いだめを忘れてしまった。きのうまでより20円上がっていたが、高過ぎるよね」と話し、通信系企業に勤める20代の男性も、「仕方ないかもしれないが、賛成ではない」とこぼした。
税抜き価格も併記する値札への切り替えなどのため、午前1時に臨時閉店した24時間スーパー「成城石井麻布十番店」(港区)では、間際まで買いだめする客の姿も。母親と買い物に訪れた近所の宮真里奈さん(23)は「日付が変わって8%だと思っていたのでラッキー。たくさん買ってしまいました」と約1万円分の食料を買い込んでいた。