ロシア軍のウクライナ侵攻、 爆発で100人死亡か
ゼレンスキー大統領は全土に戒厳令、国民に決起を呼び掛け
ウクライナのゼレンスキー大統領は24日、ロシア軍の本格侵攻を受け、全土に戒厳令を敷いた。既に親ロシア派武装勢力が実効支配していたウクライナ東部のみならず、隣国ベラルーシや、ロシアが2014年に一方的にウクライナからの併合を宣言したクリミア半島からもロシア地上部隊が侵入。現地からの報道によれば、民間人を含め100人前後の死者が出ているもようだ。
戒厳令下では市民の私権が制限され、企業には国防上の協力が要請される。ゼレンスキー氏は演説や動画メッセージで「プーチン(ロシア大統領)はウクライナを破壊しようとしている」と危機感を示し、ロシアとの国交断絶を宣言。国民に平静を保つよう求める一方、「われわれの土地を守ることを望む全ての人に武器を与える」と述べ、決起を呼び掛けた。
首都キエフを含む各地で爆発音がとどろいた。親露派支配地域に近い東部ハリコフでは特に大きな被害が出ているもようだ。国防省は声明で「敵が東部のわれわれの部隊や、他の地域の軍事拠点、飛行場への集中的な爆撃を開始した」と明らかにした。
大統領府関係者は、ロシア軍の攻撃でウクライナ兵少なくとも40人と、民間人10人前後が死亡したと述べた。また、ウクライナ軍は「東部での交戦でロシア側に約50人の死者が出た」と主張。このほかにも死傷者の情報が相次いでいる。
また、ウクライナ軍はロシアの航空機やヘリコプターを撃墜したと発表したが、ロシア側は否定している。
クレバ外相はツイッターで「世界はプーチンを止めることができ、止めなければならない。今こそ行動の時だ」と訴えた。ウクライナの駐トルコ大使は24日、ロシア軍艦にボスポラス、ダーダネルス両海峡を航行させないようトルコに要請した。
一方、23日にはウクライナ政府の省庁や国家関係機関などのウェブサイトにアクセスできない事態が相次いで発生した。15日にも同様の事例が起きており、再びサイバー攻撃を受けたとみられる。(イスタンブール時事)