ソフト事業の復興「あと10年以上かかる」
宮城県の村井知事にインタビュー、心のケアなどに注力へ
東日本大震災から11年を迎えるのを前に、宮城県の村井嘉浩知事は22日、時事通信などのインタビューに応じた。道路整備などのハード事業はほぼ完了した一方で、阪神大震災の復興状況を踏まえ、被災者の心のケアといったソフト事業の完遂には「あと10年以上はかかる」との考えを示した。
-復興状況の評価と、残る課題への対応は。
ハード事業はあと1年あればすべて完了するところまできた。これからは被災者の心のケアやコミュニティー再生といったソフト対策に力を入れていきたい。震災後に生まれた子供は当時を知らないので、伝承が非常に重要になってくる。
-ソフト事業の完遂のめどは。
阪神大震災から27年が過ぎた。やはり20年、25年の単位で考える必要があり、あと10年以上はかかるのではないか。
-復興の途上にある被災者への支援は。
県は国の交付金を活用し、被災市町による見守りや相談支援を行う生活支援相談員の配置などを後押ししている。市町と協力し、生活困窮者や健康上の不安がある高齢者を把握して必要な支援につなぐことを最優先にしていきたい。
配慮すべき人たちには、「みやぎ心のケアセンター」(仙台市)などが特別に手を差し伸べて、アウトリーチ型支援(行政が被災者に積極的に支援を届ける手法)をしていくべきだ。
-新型コロナウイルスが被災地や復興に与える影響は。
飲食店や物流、運輸系といった人やモノが動いて成り立つなりわいに影響が出ている。コロナは命に関わる病気なので(対応を)優先せざるを得ない。復興がどのような状況だろうと、コロナ収束に軸足を置きながら対策を進めることが重要だ。