北京五輪でメダル最多18個、コロナ禍でも前進
エース頼みの課題も、伊東団長「ジュニア世代の強化を」
日本は北京五輪でメダル18個を獲得した。冬季で最多だった前回平昌大会の13個から5個増。新型コロナウイルス下で先が見通しにくい状況だった中、伊東秀仁選手団長は「最強のチームジャパンを実証した」と誇り、前進していることを結果で示した。
4年前との大きな違いは、銅が9個と前回の4個から倍以上に増えたこと。28年ぶりの表彰台となったノルディックスキー複合団体は、的確な選手起用が光って後半距離で挽回。着地の成否で得点が大きく変わるスノーボードでは、女子ビッグエアの村瀬心椛(ムラサキスポーツ)、同ハーフパイプの冨田せな(アルビレックス新潟)が期待に沿う結果を残した。
スケートでは、フィギュア男子の18歳、鍵山優真(オリエンタルバイオ)が銀。スピードの21歳、森重航(専大)は男子500メートルで3大会ぶりのメダルを日本にもたらした。若い力は4年後にもつながりそうだ。
ただ、手放しで喜べる状況ではない。スピードの女子は高木美帆(日体大職)を軸に四つ、ジャンプは小林陵侑(土屋ホーム)が二つのメダルを手にしたが、エース頼みの面があった。他の国際大会で実績を残したメダル候補はいても、4年に1度の大舞台で力を発揮できる選手は限られる。
日本勢が結果を残し続けるには、今大会入賞した競技、種目の若手に目を向けて強化を進める必要がある。小林陵は個人ノーマルヒルで、21歳だった前回の7位から金メダリストになった。
伊東団長は「次のイタリア、さらに札幌市が招致活動している2030年に向け、現在のジュニア世代の強化をしていく」と青写真を描いた。(時事)
= 北京五輪メダル最終獲得数 =
◇北京五輪メダル最終獲得数
金 銀 銅 計
ノ ル ウ ェ ー 16 8 13 37
ド イ ツ 12 10 5 27
中 国 9 4 2 15
米 国 8 10 7 25
スウェーデン 8 5 5 18
オ ラ ン ダ 8 5 4 17
オーストリア 7 7 4 18
ス イ ス 7 2 5 14
R O C 6 12 14 32
フ ラ ン ス 5 7 2 14
カ ナ ダ 4 8 14 26
日 本 3 6 9 18
イ タ リ ア 2 7 8 17
韓 国 2 5 2 9
ス ロ ベ ニ ア 2 3 2 7
フィン ラ ン ド 2 2 4 8
ニュージーランド 2 1 0 3
豪 州 1 2 1 4
英 国 1 1 0 2
ハ ン ガ リ ー 1 0 2 3
ベ ル ギ ー 1 0 1 2
チ ェ コ 1 0 1 2
ス ロ バ キ ア 1 0 1 2
ベ ラ ル ー シ 0 2 0 2
ス ペ イ ン 0 1 0 1
ウ ク ラ イ ナ 0 1 0 1
エ ス ト ニ ア 0 0 1 1
ラ ト ビ ア 0 0 1 1
ポ ー ラ ン ド 0 0 1 1
計 109 109 109 327
(フィギュアスケートの団体を含む。
ROCはロシア・オリンピック委員会)(時事)