モーグル・川村あんりは5位、悔やまれるエア


得意のターンは最後まで安定、「次こそは金メダルを」

モーグル・川村あんりは5位、悔やまれるエア

フリースタイルスキー女子モーグル決勝3回目の川村あんり=6日、張家口(時事)


  
 五輪の重圧が、17歳の感覚を狂わせたか。川村の決勝3回目。第2エアのコークスクリュー720(軸をずらした2回転)の着地がわずかに乱れた。エア点が伸び悩んで5位。「本当に悔しい」と目に涙を浮かべた。

 決勝1回目は2位、2回目は3位だった。決勝3回目があるのは五輪ならでは。未知の領域でも、「経験値が低い」と自認するコークスクリュー720に挑戦。城勇太ヘッドコーチが「大きなこぶを、何もないかのように吸収する技術は本当にすごい」と舌を巻くターンは、最後まで安定していた。

 15歳でW杯に初出場し、五輪5大会に出た上村愛子さんのデビュー戦3位を上回る2位に入った。昨季は種目別2位、今季は初勝利を含む3勝を挙げてここまでトップ。世界でスターダムを駆け上がり、「体から板まで全部思っているように動く感じ」と言えるほどの自信をつけてきた。

 フィンランド出身で五輪金メダリストのヤンネ・ラハテラ日本代表コーチの指導を受け、板を直線的に走らせるカービングの技術を学んだ。得意のターンは進化を遂げ、上村さんは「スライド(ターン)のいいところを合わせたハイブリッドの滑り方で点を取っている」と評価する。

 周囲の期待は十分に感じていたそうで、「メダルが取れなかったのは申し訳ない」。まだ高校2年生。「次の五輪までにちゃんと準備して、次こそは金メダルを取りたい」。氷点下約15度の寒空の下で、リベンジを誓った。

(時事)