浅田真央、悔しさを胸に圧巻の舞


世界フィギュアSPで会心の最高点

浅田真央、悔しさを胸に圧巻の舞

女子SPで演技する浅田真央=27日、さいたまスーパーアリーナ

浅田真央、悔しさを胸に圧巻の舞

女子SPで演技する浅田真央=27日、さいたまスーパーアリーナ

 ソチに残してきた借りが、ここで返せるわけではない。だが、悔しさを胸に刻んだ滑りは、女子SP歴代世界最高点を塗り替える圧巻の演技になった。浅田は「自分の中でベスト3に入る。100点」と喜んだ 。

 五輪では重圧に揺れた気持ちに、この日は濁りがなかった。「後ろ向きでは駄目。無心になれた」。攻めることを忘れず挑んだ冒頭の大技トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は高さ、着氷とも理想的。1・86点の出来栄え加点もたたき出した 。

 流れに乗り、ソチで悪夢のごとく失敗した残る二つのジャンプも成功。ショパン作曲「ノクターン」の調べを、情感たっぷりに演じ切った。金妍児の従来の最高点を超えたことにも「演技自体に満足したが、トリプルアクセルという自分しかできない技を入れての最高の演技で出たと思う。うれしい」と言葉を弾ませた 。

 集大成と位置付けた五輪はSP16位の出遅れが響き、フリーの会心の演技も及ばず6位。この日の演技中も、「ソチで悔しかった」と回想したというが、「今まで頑張ってきた自分のために、いい演技をしたいと思っていた」 。

 去就次第では、現役ラストダンスになるかもしれない舞台で、まず一つ乗り越えた。「今季最後の試合なので、SPもフリーもやり切った終わり方をしたい」。フリーではソチの再現を狙う。