御嶽海が単独トップ、照ノ富士との大一番へ
宝富士を会心の内容で破る、優勝・大関へみなぎる自信
優勝争いの佳境に入っても、御嶽海は動じなかった。左四つで力を発揮する宝富士に右を固めて力強く当たると、厳しいおっつけ。ベテランに抵抗を許さない会心の内容で2敗を守り、「自分の相撲で勝った。それだけ」。3度目の賜杯獲得、大関昇進へ前進し、口ぶりには自信があふれた。
もう一つ上の番付に向け、正念場で崩れる安定感の無さが課題とされてきた。かつては白星を重ねていても突然、闘争心が欠けたような相撲を見せることがあったが、「気持ちが整えられている」。充実ぶりは自身でも感じているのだろう。
この白星で、大関昇進への目安となる三役での直近3場所の合計33勝と優勝へあと1勝。さまざまな重圧がかかる状況の中、「最高。気持ちがいい」。そう言い切れる心身の強さが、今はある。
賜杯争いの単独トップに立ち、千秋楽は結びで照ノ富士に挑戦する。過去の対戦成績は4勝12敗。昨年は一度も勝てず、番付を駆け上がる相手の姿を見上げるしかなかった。それでも、「自分の相撲を取れば大丈夫。見ていてください」。闘志をたぎらせて、大一番に向かう。