松山英樹、アジア勢最多タイの通算8勝目
逆光から劇的ショット、攻めの姿勢貫き最後に追い上げ
18番(パー5)で行われたプレーオフの1ホール目。残り277ヤードから放った第2打は逆光で見えなくなったが、松山はグリーンを囲むギャラリーの大きな歓声が聞こえたという。「(ピンから)5メートルくらいに乗ったのかな」。実際にはピンそば80センチにつけるスーパーショット。ヘンリーのボギーを見届けてから慎重にウイニングパットを沈め、日に焼けた顔がほころんだ。
首位のヘンリーと2打差で臨んだ最終日。9番で短いバーディーパットを外し、5打差まで広げられて前半を折り返した。それでも、「悪いプレーではない。後半もいいプレーをすればチャンスは巡ってくる」。直後の10番、11番と一打ずつ伸ばして相手にじわりと重圧をかけ、18番ではドライバーで約340ヤードを飛ばしてバーディー。攻めのゴルフを貫いて最終ホールで追いつき、劇的なプレーオフ勝利につなげた。
39年前、最終ホールでの鮮やかなチップインイーグルで日本選手初の米男子ツアー勝利をつかんだ青木功以来の大会制覇。伝説の試合を思い起こさせるような逆転勝利に、「青木さんが勝った試合で勝てるのは、すごくうれしい。きょうはたくさんお酒を飲む」。目標と口にしていたアジア勢最多勝利にも到達。普段はクールな29歳が南国の花飾りを首にかけ、とびきりの笑顔を振りまいた。(ホノルル時事)