全国高校ラグビー、東海大大阪仰星が優勝


自陣深くで粘りを発揮、持ち味の堅守で6度目の栄冠

全国高校ラグビー、東海大大阪仰星が優勝

4大会ぶり6度目の優勝を果たし、喜ぶ東海大大阪仰星の選手=8日、大阪・花園ラグビー場

全国高校ラグビー、東海大大阪仰星が優勝

後半、トライを決める東海大大阪仰星の増山(手前)=8日、大阪・花園ラグビー場

 4大会ぶりに高校日本一の座を奪還し、東海大大阪仰星のフィフティーンは何度も歓喜の雄たけびを上げる。ナンバー8の薄田主将は「ここまでしんどい思いをしてきたが、やり切れた。優勝できて最高にうれしい」と達成感に浸った。

 持ち味の組織的防御を存分に発揮した。この日も許したトライは一つだけ。15-5で迎えた後半は攻め込まれる時間も長かったが、ゴールラインを背負ってからの守りが見事だった。

 13分すぎにラインアウトからモールを組まれても前進を許さない。密集からボールが出た瞬間に集団で襲い掛かり、奪い返した。その約3分後にもゴール前で連続攻撃を受けたが、SH石田とフランカー松沼が強烈なダブルタックル。突進を押し返し、相手の反則を誘ってしのいだ。「ただ止めるのではなく、ボールを奪い返すまでがディフェンスという意識だった」と薄田。流れを引き戻し、その後の連続トライで試合を決めた。

 高い能力を持つ選手が多いが、湯浅監督は日頃から「自分で何かをしようとか、ビッグプレーはいらない」と説いてきた。選手がそれに応え、チームプレーに徹したことで堅守が完成した。

 薄田は言った。「何が必要か考え抜き、来年もこの場所で優勝してほしい」。同校初の連覇に挑む後輩たちに、早くも奮起を促した。