小林陵侑、逆転でジャンプ週間3連勝


光る勝負強さで完全制覇にあと1勝、難しいジャンプ台攻略

小林陵侑、逆転でジャンプ週間3連勝

ジャンプ週間第3戦を制し、喜ぶ小林陵侑=5日、オーストリア・ビショフスホーフェン(AFP時事)

 他の誰も勝つことができない。今の小林陵には、そう思わせるだけの勝負強さと安定感がある。1回目を終えてリンビク(ノルウェー)と5・7点差の2位でも「良いジャンプができればチャンスはある」と信じていた。

 2回目はスタートゲートが下がり、不利な追い風となったが、1回目を0・5メートル上回る137・5メートル。リンビクは飛距離を落とし、1回目より11点以上低かった。逆転でのジャンプ週間3連勝に「スーパーエキサイティング」と喜びを表現。敗れたライバルは「負かすことができない」と認めるしかなかった。

 ビショフスホーフェンのジャンプ台は助走路が緩やかで長い珍しい形状。ベテランの伊東は「ここで上手に飛べたら、どこでも飛べる」と話す。歴代の日本選手が苦戦する中、夏場に合宿している小林陵は2019年に同会場のW杯で日本勢初優勝。「好き」と言えるほど、完全に攻略している。

 第70回を迎えた伝統のジャンプ週間で、史上初となる2度目の完全制覇にあと1勝。総合優勝争いでも2位のリンビクに17・9点差、飛距離換算で約10メートル差をつける。「2本そろえられなきゃ勝ちはない。総合もまだ結構難しいところにある」。気を緩めず、好相性の会場で偉業に挑む。(ビショフスホーフェン時事)