ラグビー国内新リーグ、リーグワンが開幕


企業スポーツ脱却へ第一歩、試合の興行権が各チームに

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ラグビー国内新リーグ「ジャパンラグビーリーグワン」発足を発表する日本ラグビー協会の森重隆会長(左から2人目)ら=2021年7月16日、東京都新宿区

 ラグビーの国内リーグが生まれ変わる。2003年から18年続いたトップリーグ(TL)に代わり、新設されたリーグワンが開幕する。運営法人が日本ラグビー協会から独立し、企業名を冠していた各チームの名称は地域密着を意識したものに一新された。これまで日本では企業スポーツという印象が強かったラグビーが、実質的なプロリーグ化へ第一歩を踏み出す。

 TLとの最も大きな違いは、試合の興行権が日本協会から各チームに移った点。TLではチケット販売や会場の選定は日本協会が担い、参加チームの収入源は母体企業からの支援が主だった。リーグワンでは各チームが独立した事業主体として運営し、チケット収入などを直接得ることになる。

 母体企業のヤマハ発動機から分社化した静岡は、バスケットボール男子Bリーグの茨城などで社長経験のある山谷拓志氏を経営トップに迎えた。元日本代表FBの五郎丸歩氏もフロント入りして注目を浴びる。山谷社長は「世界最大規模と言われるフランスのトップチームは年間40億円の収入がある。10年後には到達したい」と意欲的だ。

 地域密着もリーグワンの理念。埼玉(旧名パナソニック)は昨夏に群馬県太田市にあった本拠地を埼玉県熊谷市に移転し、熊谷ラグビー場に隣接したエリアに総工費約35億円を投じてクラブハウスなどを整備した。練習グラウンドの横にはホテルも併設され、ファンが自由に練習を見学できる。飯島均ゼネラルマネジャーは「行政ともタッグを組み、地域の社交の場にしてラグビーの価値を高めたい」と狙いを語る。

 プロと社員選手が混在するのはTLと同じ。基準を満たすホームスタジアムが確保できていないチームも複数ある。完全なプロリーグ化までは時間はかかりそうだが、リーグワンの玉塚元一理事長は「ホップ、ステップ、ジャンプと段階的に発展していければ」と見込んでいる。