鶴竜初V、地道な努力が一気に開花


ワンチャンスで横綱昇進へ、26日に正式決定

鶴竜初V、地道な努力が一気に開花

初優勝し、賜杯を手にする鶴竜=23日、大阪・ボディメーカーコロシアム

鶴竜初V、地道な努力が一気に開花

鶴竜(左)は琴奨菊を寄り切りで下し、優勝を決める=23日、大阪・ボディメーカーコロシアム

 大願を果たした瞬間、鶴竜の表情は崩れなかった。「やっと優勝できた」「相撲をやってよかった」。勝ち名乗りを受けながら、万感の思いがあふれ出た。

 2横綱を破って迎えた琴奨菊との大一番。相手得意の左四つで押し込まれてはたいたが、ここから冷静だった。右を差し、巻き替えた左下手は結び目まで深く取る。次に右前まわしをがっちり引いて頭をつける万全の体勢。「最後まで自分の相撲を取れた」と満点の内容だった。

 同じモンゴル出身の白鵬も日馬富士も3度目で手にした綱を、鶴竜はワンチャンスで射止めた。2年前に大関に昇進して以降、優勝争いにも絡めなかった大関が、素質を一気に開花させたのは、もちろん偶然ではない。

 週3回の筋力トレーニングを地道に続け、体重は154キロまで増加。立ち合いのスピードを失うことなく、圧力が増した。そして、ふがいない成績が続いた昨年。「このまま終わりたくない」。心優しい鶴竜が、強い決意を内に秘めていた。

 日本語で書いた一通の手紙から、入門にこぎ着けたのが12年半前。「一歩ずつ上がってきた。今まで経験してきたこと、コツコツやってきたことがやっと表れたのかな」。目前となった最高位までの道のりをこう振り返った。「常に勝って当たり前。トップにいなきゃいけない。精進したい」。頂点に立つ心構えを、静かな口調に込めた。