北京五輪、コロナや外交ボイコットの影響が懸念
開幕まで1カ月、選手は強化スケジュールの再考迫られる
北京冬季五輪の開幕まで4日であと1カ月となった。新型コロナウイルスの世界的流行が続く中、大会組織委員会は選手ら参加者と外部との接触を遮断する「バブル方式」を徹底し、何としても大会を成功させる方針だ。一方、中国と対立を深める米国が表明した「外交ボイコット」に一部の国が同調し、影響が懸念される。
北京五輪は2月4~20日に北京市中心部、市郊外の延慶区、河北省張家口市の3地区で開催。冬季五輪史上最多の109種目を実施する。中国での冬季五輪は初めてで、2008年に夏季大会の会場となった北京は、史上初の夏冬両五輪の開催都市となる。昨年10月以降、本番の会場では各競技のテスト大会が行われた。
一人の感染者も見逃さず隔離する「ゼロ・コロナ」政策を続ける中国だが、陝西省西安市では昨年12月に始まった感染拡大が止まらず、ロックダウン(都市封鎖)が続く。組織委はバブル内で厳格なコロナ対策を講じ、選手らは毎日のPCR検査が必須。中国本土居住者に限って観客を入れる予定だが、チケットはまだ販売されていない。
日本国内でも変異株「オミクロン株」による水際対策の強化で、フィギュアスケートやノルディックスキー・ジャンプの国際大会が中止に。選手は強化スケジュールの見直しを迫られた。
中国の新疆ウイグル自治区などでの人権侵害を理由に、米国や英国、オーストラリアなどは政府関係者を派遣しない外交ボイコットに踏み切る。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は「政治の問題だ」と述べ、政治的中立の立場を強調している。(時事)