東証大発会、円安進行で日経平均500円超高
大発会での上昇は4年ぶり、「勢いのある縁起の良い年に」
今年最初の取引となる大発会を迎えた4日の東京株式市場で、日経平均株価は大幅に反発した。海外株の上昇や円安の進行を受け、自動車や電機など輸出関連銘柄が買いを集めた。日経平均は2万9000円の大台を回復し、終値は昨年末比510円08銭高の2万9301円79銭。大発会での上昇は2018年以来、4年ぶりとなる。
円安を追い風に、トヨタ自動車と日産自動車の株価がともに6%を超える大幅な上昇となった。また、21年の日経平均の上昇率は4・9%にとどまって欧米株に比べ出遅れており、「新年を迎え海外の機関投資家から主力銘柄に買いが入った」(大手証券)との声が聞かれた。
ただ、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染が国内外で拡大している。重症化リスクが低いとの見方も出ているが、先行きは依然として予断を許さない。
東証を傘下に持つ日本取引所グループの清田瞭最高経営責任者(CEO)は4日午前の大発会式典で、「千里を走る」という寅(とら)年の相場格言にちなんで「勢いのある縁起の良い年を期待する」と語った。幸先の良いスタートを切った東京市場だが、楽観が修正を迫られる恐れもある。
4日の東京外国為替市場の円相場は一時1ドル=115円81銭まで下落し、2017年1月11日以来、約5年ぶりの円安水準を付けた。米長期金利の上昇を受け、日米金利差拡大を意識した円売り・ドル買いが優勢となった。午後5時現在は115円74~75銭と昨年末比63銭の円安・ドル高。