三菱UFJ銀行、デジタル戦略を本格化
個人や法人へ相次ぎ新サービス、NTTドコモと提携も
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が、個人や法人向けのデジタル金融サービスを本格化させている。傘下の三菱UFJ銀行はこのほど、中堅・中小企業のデジタル化や脱炭素対応を支援するプラットフォームについて、地方銀行の利用を想定した機能拡充のため、NTTデータなどと連携すると発表。同行はスマートフォンを使った個人の資産形成サービスも始めた。
MUFGは中期経営計画で、IT企業などと連携し、さまざまなデジタル金融サービスを提供するプラットフォーム事業を展開する方針を掲げている。今回の三菱UFJ銀の連携では、取引先が求める支援を地域金融機関が的確に把握できるように顧客管理の機能を強化する。
法人ビジネスプラットフォームは、同行が昨年11月に連結子会社化したビジネステック(東京)が展開する名刺や労務などの管理サービスを組み込んだ経営支援システムがベース。今後、温室効果ガスの排出量を算定できるサービスなども組み込む考えだ。
三菱UFJ銀は個人向けでは、スマホを活用し、共通ポイントを使った株式投資や、保険の加入、クラウドファンディングを通じて資産形成ができる金融プラットフォーム「マネーキャンバス」を昨年12月24日に立ち上げた。このほかリクルートとの共同出資会社も今月に入って、業界最低水準の手数料を武器にデジタル決済サービスの提供を開始。
さらに今年にはNTTドコモと提携し、共通ポイント「dポイント」がたまるデジタル口座を開設する方針だ。
MUFGは傘下の米地銀MUFGユニオンバンク株式の売却益の一部をIT投資にまわす方針。
亀沢宏規社長は「収益として数字を出すには少し時間がかかるが、ビジネスモデルを作り変える取り組みをしているところだ」と話している。