ユニークな回転ずし続々、コロナ禍でも健闘
「Z世代」向けや「米国風」店舗も、ワタミも新規参入
大手回転ずしチェーンで、ユニークな店舗が相次ぎ登場している。くら寿司は「Z世代」と呼ばれる1990年代後半以降に生まれた若者をターゲットにした店舗を東京・原宿にオープン。あきんどスシローは、初の「米国風」店舗を大阪市の大型テーマパーク横に出店した。居酒屋を展開するワタミもすし事業に新規参入。すし業界で「コロナ後」を見据えた競争が激しくなっている。
調査会社の富士経済(東京)によると、回転ずしの2020年の市場規模は、前年比7・6%減の6194億円。居酒屋が半減したのに対し、小幅な減少にとどまった。21年は5・8%増加する見込みで、コロナ禍で苦戦する外食産業の中で健闘している。
くら寿司の新店は、回転ずしの店内に、ロボットが自動でクレープ生地を焼く「スイーツ屋台」を導入。インターネット交流サイト(SNS)を通じた若者による発信を意識し、「世界一映えるすし屋」(田中信副社長)にこだわった。
スシローが出店した「スシロー ユニバーサル・シティウォーク大阪店」は、店員が米国のレストランをイメージした赤と黒のユニホームで接客。限定メニューの「サーモンアボカドまぐろーる」も提供する。堀江陽社長は「(コロナ収束後は)訪日客取り込みも狙う」と力を込める。
ワタミは、「すしの和」1号店を東京・錦糸町にオープンした。回転ずしではないが、回転ずしの顧客層を意識した「1貫96円から」という値頃感が特長だ。渡辺美樹会長兼社長は「回転ずしではなく『すしの和』に行こう、と子供に言ってもらえることが最初のターゲット」と説明。今後5年で100店舗への拡大を目指している。