全日本バレー女子、久光が8度目の優勝
相手エースを抑え競り勝つ、悔しさ報われ晴れやかに
14-11で迎えた最終第5セット。久光の石井がスパイクを決め、一進一退の熱戦に終止符を打った。「みんなの思いがボールにこもっていた。私自身が一番ほっとしている」。コート上であふれる涙をぬぐった。
今季のV1リーグ戦では、東レに2試合ともストレート負け。相手エースのクランをいかに抑えるかがカギだった。石井や平山が攻撃的なサーブで崩し、ブロックの上からスパイクを打たれても、セッターの栄らがコースを察知。追い付いた第2セット以降は簡単には点を取らせなかった。
2018~19年シーズンにV1と全日本を制したが、その後はタイトルから遠ざかった。酒井監督は「勝たないといけないと考えていたが、今は選手の成長にも目を向けられている」。平山ら若手が増えてきた中で、指揮官の意識も変化した。
主将の井上愛は「この2年間、もがきながらやってきた。今までの負けがあったから少し強くなれたのかなと思う」と言葉に実感を込める。味わってきた悔しさが報われ、チームの表情は一様に晴れやかだった。