米上院がエマニュエル駐日大使承認、近く着任へ


空席2年以上、日米同盟の深化が「最優先課題」と強調

米上院がエマニュエル駐日大使承認、近く着任へ

米上院で承認されたラーム・エマニュエル新駐日大使=2013年1月、ワシントン(AFP時事)

 米上院は18日の本会議で、新たな駐日大使にラーム・エマニュエル前シカゴ市長(62)を充てる人事を賛成多数で承認した。承認手続きはこれで完了し、宣誓を経て近く着任する。

 駐日米大使は前任のハガティ氏が上院選出馬のため辞任して以来、2年以上にわたり空席が続いていた。

 エマニュエル氏は上院外交委員会で10月に開かれた承認公聴会で、中国が覇権主義的な行動を強める中、日米同盟の深化が「最優先課題」だと強調。日本の防衛予算拡大方針を歓迎した。経済安全保障を重視する考えも示し、半導体や医薬品のサプライチェーン(供給網)見直しや、インフラ投資面での日米協力に期待を示していた。

 採決では48人が賛成、21人が反対した。エマニュエル氏はシカゴ市長時代、白人警官が黒人少年を射殺した事件の映像を公開しなかったことで批判を浴びており、採決では与党民主党からも反対者が出た。

 米大使人事の承認は一部共和党議員の反対や他の法案審議のしわ寄せで停滞。外交の重点をインド太平洋に置くバイデン政権は、アジア最大の同盟国である日本の大使を優先的に承認するよう求めていた。上院は16日、駐中国大使にバーンズ元国務次官を充てる人事を承認している。(ワシントン時事)