住宅ローン減税25年まで、税制改正大綱固まる
控除率0.7%を13年間、与党税制協議会で方針を確認
政府・与党は8日、2022年度税制改正大綱の概要を固めた。年末の借入残高の1%を所得税などから差し引ける住宅ローン減税について、制度を25年まで4年間延長。控除率を0・7%に引き下げ、適用期間は新築で13年間(現行は原則10年間)とする。自民、公明両党は同日、与党税制協議会を都内で開き、こうした方針を確認。両党は9日にそれぞれの税制調査会で取りまとめ、10日に与党として正式決定する。
現行の「1%、10年間」では、控除を最大限利用できる高所得層に有利な仕組みとされる。「0・7%、13年間」とすることで、毎年の控除が低下して高所得層が受ける恩恵は減る一方、期間が延びて中低所得層を中心にトータルの減税額が増える可能性がある。
新築住宅で13年間の控除を受けるには、25年までに入居する必要がある。ただ、長期優良住宅や一定の省エネ性能を備えた住宅以外の新築物件では、23年までの入居で13年間、25年までの入居で10年間とする。
借入限度額は、住宅の省エネ性能に応じて4区分を設定し、段階的に縮小。新築の長期優良住宅などは23年までの入居で5000万円、25年までの入居で4500万円とする。他の一般住宅では、23年までの入居で4500万~3000万円、25年までの入居で3500万~2000万円に引き下げる。
固定資産税をめぐって、全ての土地を対象に、地価が上昇した場合に税額を据え置いた特例措置は解除。ただ、コロナ禍で営業活動を制限されている事業者に配慮し、商業地の税額上昇分を半分にとどめる措置を講じる。このほか、賃上げした企業に対する優遇措置の拡充なども大綱に盛り込む。
また大綱では、富裕層の金融所得課税強化や、温室効果ガス排出量を実質ゼロとする「カーボンニュートラル」の実現に向けた税制の在り方について、将来の検討課題に位置付ける。