中日の柳裕也投手、「落ち球」習得で飛躍


制球力と変化球で最優秀防御率と最多奪三振の2冠に輝く

中日の柳裕也投手、「落ち球」習得で飛躍

巨人戦で力投する中日の柳=8月28日、バンテリンドームナゴヤ


 
 中日の柳裕也投手は、5年目の今季に大きなインパクトを残した。直球は140キロ台ながら、確かな制球力と多彩な変化球で打者を幻惑。11勝(6敗)をマークし、最優秀防御率(2・20)、最多奪三振(168)の2冠に輝いた。

 3年目の2019年にも11勝したが、防御率は3・53。昨季は6勝7敗。タイトルとは無縁だった右腕の飛躍の背景には、シンカーのように右方向へ落ちるチェンジアップの習得があった。

 19年と今季の違いをこう自己分析する。「当時は(スライダーなどの)曲がり球しかなかった。使えるレベルにはなかったチェンジアップを自在に制御できるようになって、投球の幅が広がった」

 きっかけは20年の春季キャンプ。終盤のある日、「課題だった落ち球」を習得しようと居残りで投球練習していた時、阿波野投手コーチにシンカーを教わった。ボールを抜く感覚ではなく、回転をかけるイメージが新鮮だった。

 試しに数球投げると「感覚が良かった」。1年かけて握りやリリースを調整し、「やっと自分のものにできた」との手応えを得た。今季開幕当初は左打者にしか投げなかったが、途中からは右打者にも使えるようになり、「今では欠かせない球」と言い切れる。

 7回無失点だった5月25日のソフトバンク戦では工藤監督に「時折投げるチェンジアップが良かった。意識させられると真っすぐがファウルになったりし、スライダーなどの制球も良いので、それで打ち取られたりした」と言わせた。磨いてきた武器は、名将をうならせるまでになった。