正力賞に高津臣吾監督、ヤクルトを日本一に導く
選手の体調・環境づくりに配慮、野村さんの言葉を支えに
高津監督が2年連続最下位に沈んでいたチームを日本一に押し上げ、正力賞を受賞した。「みんながそこに導いてくれた。その賞を代表していただくので、胸を張りたい」。ヤクルトでは2001年の若松勉監督以来、20年ぶりの栄誉となった。
シーズンを通じて、選手のコンディションに配慮し、離脱する選手が出ないように努めた。頂点にたどり着いた要因を「ほぼフルメンバーで1年間戦えたというのは、大きかった」と分析する。
選手としてのさまざまな経験も生きた。現役時代の後半は米国、韓国、台湾と渡り歩き、日本の独立リーグでもプレーした。「全盛期を過ぎたといったらあれだけど、年を取って海外に挑戦した。やりやすい環境をどの国の監督も、チームも提供してくれた。監督になってからは力を十分に発揮できる環境づくりを心掛けている」と話す。
恩師の野村克也さんの教えも大きかった。「最後にお会いした時に、『しっかり頭を使え、最下位のチームなんだから』と。その言葉を信じてやってきて実を結んだ。僕を支えてくれた大きな言葉」と感慨を込めて語る。11日には神宮球場で「野村克也をしのぶ会」が開催される。報告できる勲章が、また一つ増えた。