化粧品大手ポーラ社長、女性管理職を5割に
及川美紀社長にインタビュー、多様性ある経営強化を
化粧品大手ポーラ(東京)の及川美紀社長はインタビューに応じ、女性管理職の比率を現在の30%前後から2029年までに5割程度に引き上げる方針を明らかにした。「3割で満足してはいけない」と訴えた上で、性別や年齢に関係なく、社員が能力を発揮できるダイバーシティー(多様性のある)経営を強化する考えだ。
女性の管理職登用のため、制度の改善に加え、企業風土の刷新も進める。及川社長は「男女に能力の差はない」と強調。同時に、病気や障害のある社員が活躍できる職場づくりにも取り組む。
営業面ではオンラインを積極活用する。重視してきた対面に加え、消費者との接点を増やして新規顧客獲得につなげる。11日には蓄積してきたデータを基に居住地域や肌の悩みに応じた情報などを届ける新しいアプリの提供を開始。「顧客に最適なチャンネルを紹介したい」との意向を示した。
また、体験型ツアーを12月に発売。地元の食材を使った料理や運動、地域住民との交流を通じて美肌づくりを目指すとともに、地域活性化も後押しする。第1弾は今年の美肌県グランプリの「肌ポテンシャル部門」で1位になった愛媛県。及川社長は「地域の良さを改めて知ってもらうことで新たなつながりを生み、顧客層を広げていきたい」と語った。