地力を示した坂本花織、女子フリー最後まで集中
NHK杯フィギュアで優勝、「伸びしろはある」ときっぱり
演技直後に両膝をつくほど、坂本は力を出し切った。女子は強豪の欠場が相次いだとはいえ、合計で2位の河辺に約18点差をつけた。「SPとフリーをノーミスで滑るのが目標だった」。そつなく演技をまとめ、結果以上に内容に納得できた。
4回転やトリプルアクセル(3回転半)は組み込んでいない。「大技がない分、一つもミスができない」と自らを追い込み、スピードに乗った滑りを心掛けている。躍動感のあるジャンプは出来栄え点(GOE)で加点を引き出し、演技構成点の「スケーティング技術」は9点台の高評価を得た。
10月だけで「初めて」という4連戦に臨み、体力も磨かれた。これまではミスが出ることが多かった演技後半。最後まで集中を切らさず、スピンやステップでレベルの取りこぼしもなかった。
SP、フリーとも昨季終盤にマークした自己ベストには届いておらず、「まだまだ伸びしろはある」ときっぱり。12月のGPファイナル進出を決め、北京五輪代表入りにも前進した。2大会連続となる大舞台をはっきり視界に入れながら、さらに精度を高めていく。