世界のコロナ死者500万人超え、10月に再拡大
死者4カ月で100万人増、WHO「パンデミック収束遠い」
米ジョンズ・ホプキンス大によると、世界の新型コロナウイルスによる死者が日本時間1日、500万人を超えた。400万人に達した7月初めから約4カ月で100万人増えた。ワクチン接種は進んでも、ウイルスは変異し感染は再拡大、犠牲者も減らない厳しい状況が突き付けられている。
今年1月以降、死者数は約3カ月刻みで100万人ずつ増えてきた。8月中旬から減少していた1週間当たりの死者数は感染者数とともに10月下旬に増加に転じ、ワクチン接種が遅れているロシアや一部の欧州の国々で特に深刻な状況が広がっている。約2カ月ぶりの再拡大を受け、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は10月28日、「パンデミック(世界的大流行)収束は程遠い」と警戒を呼び掛けた。
ジョンズ・ホプキンス大によると、国別の死者は米国が約75万人で最多。ブラジル(約61万人)、インド(約46万人)、メキシコ(約29万人)、ロシア(約23万人)と続く。
WHOのまとめでは、10月24日までの1週間の世界の死者は約4万9000人で、前週比5%増だった。地域別では欧州が14%(約2万1000人)と最も増えている。
中でも急増しているのが、ワクチン接種率が低いロシアやウクライナ、ルーマニア。国民の約3分の1にとどまるロシアは、連日の最多死者数の更新を受け、モスクワで10月28日から部分的なロックダウン(都市封鎖)を導入、11月1週目を全土で「非労働日」と決め、抑え込みに努めている。
一方、接種率が高い英国でも感染は再拡大している。接種開始初期の今年初めと比較して重症化率は低いとみられるが、それでも死者数は連動して増えた。
英国内で広がるデルタ株から派生した「AY・4・2」(通称デルタプラス)との関係に注目が集まるが、感染力や致死率は分かっていない。WHOによると、これまで42カ国で2万6000人以上の感染者が確認されている。(時事)