タリバン最高指導者、アクンザダ師が公の場に
2016年の就任以降初、南部のイスラム神学校を訪問
AFP通信によると、アフガニスタンのイスラム主義組織タリバンの最高指導者アクンザダ師が初めて公の場に姿を現した。複数のタリバン幹部が31日、AFPに明らかにした。アクンザダ師が公の場で活動する姿を見せたのは、2016年の最高指導者就任後初めて。
ツイッターでは30日以降、「アクンザダ師が30日に南部カンダハルのマドラサ(イスラム神学校)を訪問し、重要な一日を過ごした」などという投稿が相次いでいた。
暗殺の懸念から、アクンザダ師は最高指導者就任以降、姿を隠したままだった。タリバンが9月に暫定政権を発足させた後も、公の場での活動を控え、声明の発表などにとどめていたため、死亡説も繰り返し流れていた。
アクンザダ師が姿を現した背景には、最高指導者の威光を誇示することで、タリバン暫定政権下の混乱を収めたい意向があるとみられる。約100億ドル(約1兆1000億円)に上るアフガンの中央銀行の在外資産は大半が凍結され、国内経済は大打撃を受けている。世界食糧計画(WFP)によれば、アフガン国民の95%が十分な食事を確保できていない。人身売買も横行していると報じられている。(ニューデリー時事)