ブラジル唯一の邦字紙「ニッケイ新聞」が廃刊へ


コロナ禍で収入減、新日刊紙「ブラジル日報」が引き継ぎ

ブラジル唯一の邦字紙「ニッケイ新聞」が廃刊へ

今年いっぱいでの廃刊が決まったブラジルの日刊邦字紙「ニッケイ新聞」=29日、サンパウロ(時事)


 
 世界最大の日系人社会がある南米ブラジルで唯一の日刊邦字紙を発行するニッケイ新聞社(サンパウロ市)は29日、前身を含めて75年近くの歴史がある「ニッケイ新聞」を今年いっぱいで廃刊することを明らかにした。サンパウロで設立されるNPOが記者や購読契約を引き継ぎ、来年1月初旬にも新たな日刊紙「ブラジル日報」を創刊する予定。

 ニッケイ新聞は1947年1月創刊の「パウリスタ新聞」が源流。日本語を読み書きできる日系人口の減少に伴い経営が徐々に悪化し、公称1万部に対し実部数は半分以下まで落ち込んでいた。深沢正雪編集長は「もうフラフラだった経営に、新型コロナがとどめを刺した」と指摘。コロナ禍で読者や広告主が減少したことを廃刊の理由に挙げた。

 一方、実質的に引き継ぐ形となる「ブラジル日報協会」の蛯原忠男代表は「日系の新聞をブラジルで絶やしてはいけないという思いだけで始める。若い日系人に日本の文化を伝えていきたい」と語っている。

 ブラジルでは戦後、「サンパウロ新聞」「パウリスタ新聞」「日伯毎日新聞」の日刊3紙が部数を競ってきたが、1998年にパウリスタと日伯が合併しニッケイ新聞に。以後2紙体制が続いたが、最大部数を誇ったサンパウロ新聞は経営悪化により、2018年末に廃刊した。(サンパウロ時事)