「東北人魂」の鹿島アントラーズ・小笠原選手
サッカーで復興支援、「それがスポーツの良さ」
東日本大震災から3年。サッカーのJリーガーらが復興支援活動を行う「東北人魂を持つJ選手の会」(東北人魂)の中心メンバー、鹿島アントラーズのMF小笠原満男選手(34)は思いを強くしている。「復興は1割も進んでいない。(現状は)伝えなければ伝わらない」と訴える。
東北人魂の設立は、震災から約2カ月後の2011年5月。発起人には岩手県出身の小笠原選手、宮城県出身の日本代表DF今野泰幸選手(ガンバ大阪)らが名を連ね、被災地でのサッカー教室などを実施してきた。8日の鹿島-仙台戦(茨城県立カシマサッカースタジアム)には、被災地の子供ら23人を招待した。
活動を通じ、小笠原選手は「3年間で顔を覚えた子もいる。Jリーガーになれるように頑張る、と言ってくれた子もいた。前向きな気持ちを持ってくれて、触れ合ってきた意味があったかな」と語る。
1日のJ1リーグ開幕戦では、大雪のため本拠地の山梨で予定していた試合を東京・国立競技場に変更した相手のヴァンフォーレ甲府に、小笠原選手ら鹿島イレブンが義援金を贈った。「自然災害はどこで起きるか分からない。僕らもいろんな人たちに助けてもらった。今回は俺らが何か力になろうと。それがスポーツの良さ」
復興支援活動などを通じ、仮設住宅で生活する厳しさを知っている小笠原選手。「僕らはサッカーで育って、サッカー選手をやっている。子供たちと触れ合うことで喜んでもらえる。プレーでも、僕らが勝って喜んでくれる人がいると信じている」と話した。