内閣府が世論調査、農業遺産「知らない」62%


75%は「行ってみたい」、農水省が広報活動を強化へ

内閣府が世論調査、農業遺産「知らない」62%

白米千枚田(石川県農林水産部里山振興室提供)

 内閣府は8日、重要で伝統的な農林水産業を営む地域を認定する「農業遺産」に関する世論調査結果を公表した。農業遺産を「知っていた」と回答した割合が37・1%だったのに対し、「知らなかった」は62・6%に上り、認知度が低いことが分かった。

 農業遺産は2種類あり、国連食糧農業機関(FAO)が認定する「世界農業遺産」は2002年に、農林水産相が認定する「日本農業遺産」は16年にそれぞれ創設された。世界農業遺産には「トキと共生する佐渡の里山」(新潟県)、「能登の里山里海」(石川県)などが認定されている。

 認定地域の特産物を「買いたいと思う」との回答は77・5%、その地域に「行ってみたいと思う」は75・1%だった。

 政府や自治体が行う農業遺産の広報について尋ねたところ、「十分だと思わない」は81・3%に上った。農水省担当者は「認定地域では農業遺産に触れる機会があるが、他の地域では接することがない」として、広報活動を強化する考えを示した。

 調査は7月8日~8月15日まで、全国の18歳以上の男女3000人を対象に実施。有効回収率は54・9%。