奈良・平城宮跡で旗竿遺構を発見
奈良時代後半、重要な儀式の際に使用
奈良市の平城宮跡で、重要な儀式の際に旗ざおを立てた跡とみられる奈良時代後半の遺構が見つかり、奈良文化財研究所が6日発表した。「西宮」と呼ばれる宮殿があり、称徳天皇(在位764~770年)が内裏として使用したとされる場所で、同研究所は「奈良時代後半の宮殿の儀式を考える上で重要な資料を得られた」と話している。
同研究所は、2010年に復元された第1次大極殿の約40~50メートル南側を調査。約6メートル間隔で東西に五つ並んだ穴が2列あるのを確認した。穴は横約3メートル、縦約1~1・2メートルと細長く、底の部分には柱を抜き取ったとみられる跡が三つずつあった。
東側には以前、四つの穴が見つかっており、1列が七つずつと判明した。
同研究所によると、一列の数や間隔が平安時代の書物「延喜式」の旗ざおの記述と一致した。また、一つの穴に柱が3本立つ構造も他の絵画資料と同じという。