パリ同時テロ初公判「人間のくず」、飛ぶ怒号


被告も拘束中の待遇を批判、注目の公判は荒れた展開に

パリ同時テロ初公判「人間のくず」、飛ぶ怒号

8日、パリ同時多発テロの初公判を前に、厳戒態勢のパリの裁判所(EPA時事)

 2015年11月に130人が犠牲になったパリ同時多発テロの公判が8日、事件から6年を経てパリの裁判所で始まった。実行犯グループ唯一の生存者、サラ・アブデスラム被告(31)は遺族から「人間のくず」と呼ばれ、対する被告も「犬のように扱われている」と拘束中の不満をぶちまける荒れた展開となった。

 大きな注目を集めた初公判。フランスの報道は、一時騒然となった法廷内の様子を伝えた。

 「人間扱いされていない」。黒い半袖ポロシャツ姿のアブデスラム被告は公判の最中、突然立ち上がって黒いマスクを外し、裁判長に怒鳴り付けた。16年に身柄を拘束されて以降の刑務所や裁判所での待遇について、約2分間にわたって批判を繰り広げた。

 これに対し、被害者や遺族らが座る傍聴席からは「130人が亡くなったんだ」「人間のくずめ」と怒号が飛んだ。

 アブデスラム被告はこれまで、司法当局への協力を一切拒否してきた。しかし、公判では黙秘することなく「アラー以外に神はいない」と訴え、現在も過激派組織「イスラム国」(IS)の「兵士だ」と主張した。

 被告の肉声が伝わり、6年前の悲劇を仏全土がもう一度かみしめている。(パリ時事)