詩人のまど・みちおさん死去、104歳
童謡「ぞうさん」「やぎさんゆうびん」で知られる
子供向けの優れた詩を多く残し、「ぞうさん」などの童謡で知られる詩人、まど・みちお(本名石田道雄=いしだ・みちお)さんが28日午前、東京都内の病院で老衰のため死去した。104歳だった。山口県出身。
戦前、小学生の時に台湾へ渡り、台北工業学校を卒業。台湾総督府に勤務する傍ら、雑誌「コドモノクニ」などに詩や童謡を投稿。北原白秋に認められ、本格的に児童文学の世界へ進んだ。工場勤務などを経験しながら詩作を続け、1951年作の「ぞうさん」が團伊玖磨氏の作曲で全国に広まった。他に「やぎさんゆうびん」「一年生になったら」など今も親しまれている童謡の歌詞を多く書いた。
92年に戦前からの作品約1200編を集めた「まど・みちお全詩集」を刊行。その際、戦中に書いた2編の「戦争協力詩」も収め、子供時代にこれを読んだ人におわびした。
同年、皇后美智子さまが詩を選んで英訳された「どうぶつたち」が出版された。
詩集「てんぷらぴりぴり」で野間児童文芸賞。他に小学館文学賞など受賞。94年には日本人作家として初めて国際アンデルセン賞作家賞を受賞した。詩集に「しゃっくりうた」「ぼくがここに」などがある。