名古屋で演奏会の聴衆800人が参加して避難訓練
コンサート中の「南海トラフ巨大地震」を想定
演奏会の最中に南海トラフ巨大地震が発生したとの想定で、観客を安全な場所に誘導する「避難訓練コンサート」が名古屋市の愛知芸術文化センターで20日午後、行われた。「ゴー」という効果音がホールに響いて照明が消えると、約800人の観客はバッグで頭を覆うなどし、落ち着いた様子で屋外に避難した。
訓練は地震発生のタイミングを観客に知らせないまま始まった。舞台で演奏していた愛知県警音楽隊員が率先してしゃがみ、楽譜で頭を守ると、観客も身をかがめ、センター職員や音楽隊員の誘導でホールを出た。訓練後は再び演奏を楽しんだ。
センターによると、東日本大震災以降、各地のコンサートホールで客を動員した避難訓練が増えている。担当者は「20分かかる想定が、混乱もなく10分弱で終わった」と話した。
夫婦で参加した同県知多市の平松けい子さん(64)は「職員の指示が的確で、スムーズに避難できた」と笑顔で話した。