スノーボードの竹内智香選手、実力通り銀メダル
父「夢がかなった」母「長かったねえ」、両親が観戦
19日に行われたソチ五輪スノーボード女子パラレル大回転で、銀メダルを獲得した竹内智香選手(広島ガス)の父隆治さん(62)と母の裕子さん(59)は、そろって会場に駆けつけて応援。隆治さんは「いや、すごかった。夢がかなった」と目に涙をためて話した。
裕子さんは、竹内選手が準決勝を突破して銀メダル以上が確定すると、大粒の涙をこぼしながら「長かったねえ」としみじみ。2007年から竹内選手がスイスに練習の拠点を置いていた5年間、裕子さんに弱音を吐くことはなかったが、「(電話で)声を聞いただけで、きついんだなと分かる。5年もスイスにいて、いろいろと一番つらかったと思う」。厳しい環境に身を置いて努力してきた娘を思いやった。
試合の前日には、竹内選手から隆治さんにメールが届いた。食事の様子の写真が添付され、スタート順を知らせるとともに、「いい結果になるから」と自信のほどを伝えてきた。
02年のソルトレークシティー五輪では、18歳で初出場した竹内選手にはまだ実績がなく、隆治さんは「何か間違いが起こって、メダルを取れないだろうか」と思って応援していたという。
だが、現在はワールドカップ(W杯)で優勝を経験し、何度も表彰台に上がるなどメダル有力候補の立場に変わった。「実力通りに、何とか2位になれた」と隆治さん。娘の力を信じていたから、19日夜に五輪公園で行われるメダル授与式の入場チケットも既に買ってある。竹内選手は22日にパラレル回転にも出場するが、「もう(日本に)帰ってもいいくらい。満足しました。本当にうれしい」と笑顔で話した。(ソチ時事)