コロナワクチンの接種回数、世界で40億回超え
ワクチン供給の「接種格差」顕著に、3回目投与の動きも
新型コロナウイルスワクチンの接種回数が世界で累計40億回を超えたことが、英オックスフォード大などの集計で明らかになった。世界人口の約28%が少なくとも1回、約14%が2回接種を受けたという。
28日時点の記録で中国が16億回と突出。インドや米国がこれに続き、接種開始が出遅れた日本はドイツ(9100万回)や英国(約8400万回)と同水準の約8260万回まで進んだ。
先進国や中所得国で接種が加速する一方、低所得国では、これまでに少なくとも1回接種した人の割合はわずか1%。ワクチン供給をめぐる「格差」が顕著になっている現状も浮き彫りになった。
他の先進国に先駆けてワクチン計画を開始した英国では、これまでに全成人の7割以上が2回の接種を済ませた。政府は「冬を前に接種済みのワクチン効果を維持し、(デルタ株など)新たな変異株に対抗する」(保健省声明)ため、9月から高リスクグループや50歳以上を対象に3回目の接種を実施する方向だ。
インド由来のデルタ株をめぐっては、米ファイザー社が28日、3回目のワクチン接種により、抗体が大きく増えるとのデータを発表した。同社製ワクチンの迅速な普及により感染抑え込みに成功していたイスラエルも、デルタ株の広がりに苦戦。8月から2度接種済みの60歳以上を対象に追加投与を行う方針だ。
米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、30日現在、世界の累計感染者数は2億人に迫る。新規の感染者数は一時減少が続いていたが、6月下旬から増加傾向に転じている。(ロンドン時事)