緊急事態宣言の対象拡大「いつまで我慢すれば」
止まらぬ感染に諦め顔、東京パラリンピックの開催に懸念
かつてない勢いで新型コロナウイルスの感染が拡大し、緊急事態宣言の適用対象が首都圏3県と大阪府に拡大される。「いつまで我慢すれば」。市民らは30日、ため息を漏らすとともに、宣言下で開幕する東京パラリンピックを懸念した。
「もう慣れました」。千葉県船橋市のJR船橋駅北口で、同県東金市の男子大学生(18)はこう話した。「宣言で感染者は少し減るかもしれないが、また増えるんじゃないんですか」と諦めた口調だ。
飲食店がひしめく同駅近くの路地裏では、昼間から一部の店で酒の注文が飛び交う。「串かつでんがな船橋店」従業員の東山大佑さん(37)は、周囲に目をやりつつ、「うちは政府の要請に従うが、この辺は摘発が緩い」と語気を強めた。
荒川を挟み東京都に隣接する埼玉県川口市。JR川口駅近くの串揚げ店「がむしゃら」のオーナー佐藤哲也さん(56)は「これだけ感染者が増えちゃうとしょうがない」と冷静に受け止める一方、「店への制限だけで意味があるのか」と疑問も口にした。
仕事で都内に行くこともあるという30代の男性は、3度目となる宣言に「いつまで我慢すればいいのか。きりがない」とぶちまけた。
東京都新宿区の国立競技場近くでは、病院を訪れた渋谷区の主婦(75)が「ここまできたらやるしかない。アスリートの努力を応援したい」と東京五輪の競技続行に理解を示す一方、パラリンピックについては「本当にやれるのか」と心配そうに語った。