英米の企業家が宇宙飛行、市民に開く第一歩に


英ブランソン氏と米ベゾス氏、民間旅行の実現を競う

英米の企業家が宇宙飛行、市民に開く第一歩に

宇宙旅行を終えた感想を語るリチャード・ブランソン氏=11日、米ニューメキシコ州(AFP時事)

英米の企業家が宇宙飛行、市民に開く第一歩に

ブルーオリジンのイベントで宇宙事業について説明するジェフ・ベゾス氏=2019年5月、ワシントン(AFP時事)

 英米の企業家が宇宙飛行に挑んでいる。英ヴァージン・グループを創業したリチャード・ブランソン氏(70)が11日に宇宙に到達。米アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾス会長(57)も20日に追随する。いずれも自ら設立した企業で宇宙旅行の実現を目指しており、市民に宇宙が開かれる第一歩として注目されている。

 「なんて日だ。宇宙から見た地球は圧巻だった」。ブランソン氏は米ヴァージン・ギャラクティックが開発した宇宙船で約1時間の旅を終えると、興奮冷めやらぬ表情で語った。

 2022年の商用化を見据えた試験で、パイロット2人に加えブランソン氏ら民間人4人が搭乗。米西部ニューメキシコ州の拠点を出て高度約85キロまで上昇し、無重力空間を経て帰還したことは、宇宙を一気に身近にした。

 20日には「5歳から夢見てきた」ベゾス氏が、自ら設立したブルーオリジンが開発したロケットで続く。出発から帰還までわずか十数分の旅程だが、目指す高度は100キロ超だ。弟マーク氏のほか、宇宙飛行の経験者としては最年少となる18歳男性、最高齢の82歳女性が同乗する。

 このほか電気自動車大手テスラを率いるイーロン・マスク氏が設立したスペースXも、宇宙旅行の事業化を目指している。既に米航空宇宙局(NASA)との契約で有人飛行を成功させ、ノウハウで先行する。今後は地球周回飛行を計画。23年に通販サイトを運営するZOZO(ゾゾ)創業者の前沢友作氏を乗せ、月を周回する予定だ。

 ブルーオリジンの搭乗権は6月、2800万ドル(約31億円)で落札された。現状では高額で富裕層しか手が届かないが、機体の再利用などにより本格的なサービス開始時には同社、ヴァージンとも数十万ドルまで下がると予想されている。(シリコンバレー時事)