文楽人形遣いの桐竹勘十郎さん、人間国宝に認定


親子・師弟での認定に、責任を実感、後進育成に危機感も

文楽人形遣いの桐竹勘十郎さん、人間国宝に認定

人間国宝に認定された文楽の人形遣いの桐竹勘十郎さん。舞台は2012年初春文楽公演「義経千本桜」(国立文楽劇場提供・時事)

文楽人形遣いの桐竹勘十郎さん、人間国宝に認定

人間国宝に認定されることになり、記者会見する文楽の人形遣いの桐竹勘十郎さん=12日、大阪市中央区(時事)

 文楽人形遣いの桐竹勘十郎さん(68)は、父の故二代桐竹勘十郎や師匠の吉田簑助さん(87)に続き、親子、師弟で人間国宝に認定され、「日に日に身が引き締まる。えらいことになった」と、文楽を背負う責任を感じている。

 4月に引退したばかりの師匠からは、電話で「おめでとう」と何度も言われた。「現役の時に一緒に人間国宝になりたかったなあ」という言葉も伝え聞いたそうで、「芸には厳しかったが、好きなことをやらせてもらえた」と、師事してからの54年間を笑顔で振り返った。

 一方で、文楽をめぐる環境は厳しく、「後進を育成しないと、いずれ廃れてしまう」との危機感も強い。若手技芸員に「人形と心中してもいいというぐらい、好きになってほしい」と教え伝える考えだ。