米スポーツ振興財団、「バロン西」のむちを返還


日本の遺族に、1932年ロサンゼルス五輪の馬術で「金」

米スポーツ振興財団、「バロン西」のむちを返還

「バロン西」こと故西竹一さんが馬術の練習に使っていたむち=6月3日、ロサンゼルス(時事)

米スポーツ振興財団、「バロン西」のむちを返還

「バロン(男爵)西」こと西竹一さん(遺族提供・時事)

 1932年ロサンゼルス五輪の馬術障害飛越で日本人初の金メダルを獲得した故西竹一さんの使っていたむちが日本の遺族に返還される。保管していた米スポーツ振興財団「LA84ファンデーション」が発表した。

 23日の東京五輪開幕を前に、西さんの功績を振り返る意味合いがある。財団のレナータ・シムリル会長は「日米の友好関係強化につながることを願う」と述べた。

 西さんは俳優ダグラス・フェアバンクスやチャールズ・チャプリンといった著名人とも親交があった。「バロン(男爵)西」と呼ばれ、米国の日系社会で親しまれたが、45年に硫黄島で戦死。むちは64年に西夫人から前身の団体に渡っていた。

 ひ孫の満彦さん(33)=東京都在住=は財団がインターネット上に公開した動画に「彼の遺品によって人々が集い、五輪を楽しめることをうれしく思う」とのメッセージを寄せた。(ロサンゼルス時事)