手探りの夏、都内百貨店のビアガーデンが再開
予約制や使い捨てなどコロナ対策、オープンも予約は低調
東京都内の一部百貨店で夏の風物詩、屋上ビアガーデンの営業が始まった。新型コロナウイルスの感染リスクと隣り合わせの中、完全予約制にしたり、コップを使い捨てにしたりと、各店は手探りで対策を講じている。ただ、酒類の提供が午後7時までに制限されており、開催を決めかねている店舗も少なくない。
松屋銀座は6月28日にオープン。完全予約制で、席数を例年より4割減らして客同士の間隔を広げる。感染対策として「お一人様プラン」や酒類を提供しない「ファミリープラン」を新たに用意したほか、「モクテル」と呼ばれる流行のノンアルコールカクテルを飲み放題メニューに追加した。
松屋銀座は美容や健康を意識した料理で女性客の人気を集めていたが、コロナ禍に見舞われた昨年はやむなく営業を見合わせた。今年も営業時間など制約が多いものの、担当者は「開催を望む声に応えるため、感染対策を徹底した」と話す。
東武百貨店池袋本店は21日に再開した。4月にスタートした直後、緊急事態宣言の再発令で休止を余儀なくされていた。飲み放題はグラスをやめて使い捨てコップに切り替えたほか、会場はポールやついたてを使って通路を一方通行にした。
日本橋三越本店も6月26日、本格的なバーベキューを楽しめるビアガーデンの営業を始めた。肉などの食材をつかむトングを複数用意し、使い回しを防ぐ。
各店とも苦心の末にオープンにこぎ着けたが、梅雨の影響もあってか、今のところ予約は低調。「利益が出るかどうかぎりぎりだ」(大手)と気をもんでいる。コロナ感染の行方も不透明で、西武池袋本店などはまん延防止等重点措置が解除されるまで開催の判断を先送りしている。