英国の防衛機密文書、市民がバス停の裏で発見


「あってはならない出来事」、駆逐艦の対露戦略を記載

英国の防衛機密文書、市民がバス停の裏で発見

26日、ジョージアのバトゥーミに寄港した英海軍駆逐艦(AFP時事)

 英政府は27日、ウクライナ南部クリミア半島沖の黒海に展開する軍艦の航行内容を記した機密文書が南部ケントのバス停で発見されたと発表した。国防省は先週、職員から文書紛失の相談を受け捜査を始めていた。

 BBC放送によると、匿名の市民が22日、バス停の裏で50ページに上る機密文書を発見した。英高官は地元テレビに「あってはならない出来事だ」と語った。

 文書には、ロシアが2014年に併合したクリミア半島沖のウクライナ領海を航行する英海軍の駆逐艦「ディフェンダー」に関する情報が含まれていた。

 この駆逐艦をめぐっては、ロシアが23日、領海侵犯があったとして警告射撃を実施したと発表。これに対し英政府は「国際法に沿った通行だ」と反発していた。

 文書によれば、英政府関係者は駆逐艦の航行ルートにロシアが反応する可能性を認識していたが、別のルートを通過すれば、ロシアは「英国は恐れている。逃げている」と捉えるとの懸念を抱いていたもようだ。(ロンドンAFP時事)