感染症と災害に強い社会を、フォーラムが発足


都内で設立総会、国民的議論の推進や政策提言などを行う

感染症と災害に強い社会を、フォーラムが発足

ニューレジリエンスフォーラム設立総会であいさつする、共同代表の横倉義武日本医師会名誉会長=8日、東京都内、森啓造撮影

 感染症と自然災害に強い社会の造成を目指し、国民的議論の推進や政策提言などを行う「ニューレジリエンスフォーラム」が8日、発足した。河田惠昭関西大学特任教授と、松尾新吾九州経済連合会名誉会長、横倉義武日本医師会名誉会長が共同代表を務める。

 都内で行われた設立総会で、横倉氏は「わが国は、多くの国民の命が奪われる自然災害を経験してきた。今後、南海トラフや首都直下型地震、富士山の噴火などが予測されている」と指摘。「このような緊急時において国民の命と生活を守るために、今こそ従来の垣根を越えて、広く学会が結集し、連帯していくことが求められる」と強調した。

 来賓として出席した加藤勝信内閣官房長官は「大地震、自然災害など、国難を乗り越えていくうえで、この国の基本である憲法をどう考えていくのかが大切なポイントだ」とし、「緊急事態(条項)などさまざまな議論を国民の皆様に繋(つな)げていただきたい」と期待を寄せた。このほか、佐竹敬久秋田県知事によるビデオメッセージが上映された。

 事務局長を務める濱口和久拓殖大学特任教授によると、同フォーラムは、医療、経済、防災関係、自治体関係など、各団体からの声を集め、今年9月を目途に一次提言をまとめる予定。