今月公表のUFO報告書、「地球外」 の証拠はなし


昨年4月に国防総省が公開、米海軍機パイロットらが撮影

今月公表のUFO報告書、「地球外」の証拠はなし

米海軍機パイロットが撮影した不審な飛行物体の映像を取り出した画像=2020年4月に国防総省が公開(AFP時事)

 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は3日、米海軍機パイロットらが撮影した未確認飛行物体(UFO)について、情報機関が地球外の飛行物体であると結論付けることはできなかったと報じた。米国家情報長官(DNI)室や国防総省は今月、UFOに関する報告書を議会に提出する見通し。

 政府高官によると、報告書は過去20年間に記録された120件以上の「UFO事案」を分析した。その大半は、米政府や軍が有する先端技術に基づくものではないと断定。米国が秘密裏に開発中の技術がたまたま目撃されたという可能性を否定した。

 同高官は、報告書にはそれ以外に断定的な結論が記されていないとも指摘。明確に否定する材料がない以上、海軍機パイロットらが目の当たりにした現象が地球外の飛行物体である可能性も残っていると認めた。

 報告書の事案の中には、外国の軍隊によって記録されたものも含まれていた。一部は中国やロシアなどが実験中の極超音速技術である可能性もあるという。

 オバマ元大統領は先月、UFOを特集した米メディアの番組で「それが正確には何なのか、われわれが知らない飛行物体の映像や記録があるというのは真実だ」と語っていた。

 国防総省は昨年4月、海軍機パイロットが不審な飛行物体を撮影した映像3本を公開した。今年に入ってからは、海軍が西海岸沖で撮影したとされる明滅しながら飛行する三角形の物体の映像が流出。国防総省は後に、この映像を「本物」と認めた。

 同省は昨年8月、海軍省内にUFOなどの情報収集を行う特別組織「未確認航空現象タスクフォース」(UAPTF)を設置。「国家安全保障の脅威となり得る現象の探知と分析、分類」を行っている。(ワシントン時事)