オリックス吉田正、貫禄の打撃でヤクルトを制す


逆転2点三塁打を放ち、「ルーズベルトゲーム」に勝利

オリックス吉田正、貫禄の打撃でヤクルトを制す

試合後、ガッツポーズでカメラに納まるオリックスの吉田正(右)と富山=30日、京セラドーム(時事)

 取ったり、取られたりの展開。落ち着かない試合に終止符を打ったオリックスの主砲、吉田正は「(スコアは)8-7ですか。ルーズベルトゲーム。盛り上がりますよね」。貫禄が漂った。

 見せ場は1点を追う八回2死二、三塁。ヤクルトの抑え、マクガフの153キロの内角速球を仕留めた。厳しいコースだったが、鋭く反応。打球は右中間を抜け、逆転の2点三塁打となった。

 フルカウントからの一打。吉田正は「追い込まれると、打つポイントを近くして球を長く見る」と話す。引きつけても差し込まれない、屈指のスイングスピードがなせる技。長距離砲でも、53試合を経てわずか8三振と穴が少ない理由でもある。

 5月も絶好調で、打率3割4分7厘はリーグトップ。12本塁打はリーグ2位、38打点は同3位と、三冠王も狙える位置にいる。中嶋監督は「頼もしい」と褒める言葉しか見当たらない。

 課題の救援陣が打ち込まれ、拙守で一時逆転を許した。苦しい展開だったが打撃陣が粘り、最後は吉田正が救った。「今年は厳しい中でも、何点差でもひっくり返す雰囲気がチームに出ている。誰も諦めていない」。選手会長自らが先頭に立ち、その言葉を体現している。

 オリックス・富山 5-7の八回に登板して1回無失点。その直後の逆転でプロ初勝利が転がり込み、「初勝利って、こんな感じでくるんだな」。