NPO法人、5カ国語で魚料理のレシピ本を発刊
「魚の知識を伝えたい」、コロナで苦境の漁師を支援
NPO法人の海のくに・日本(白石ユリ子理事長)はこのほど、主に日本近海で捕れる魚介類を使った料理のレシピ本「日本のうまい魚レシピ集」を発刊した。日本の家庭料理やイタリア料理、アスリート向けなど約300種類のレシピを掲載。日本語や英語など5カ国語版があり、専用サイトから無料でダウンロードもできる。
新型コロナウイルスの感染拡大で居酒屋やレストランが軒並み営業を制限された。これに伴い、漁業者の苦境も深まっている。同法人の佐藤安紀子副理事長は「海流に囲まれた日本の海の豊かさとともに、魚の調理法が世界に広まることで少しでも漁業者の力になれば」と話している。
レシピ本にはマグロやブリ、ホタテ、ウナギなど日本の食卓になじみの深い食材47種を使い、イタリア・トルコ料理、日本の家庭料理、幼児向け、アスリート向け、高齢者向けなどテーマ別にメニューを掲載。イワシのハンバーグなど子どもに人気の料理から、有名シェフ直伝の「アクアパッツァ」まで幅広く網羅している。
日英に加え、フランス語、中国語、韓国語版も発刊。水産庁の水産物販売促進緊急対策事業に採択されており、既に一部を無料配布した。近く、第2弾を計画している。
白石理事長らは、アフリカ・コートジボワールで、地元の漁村に住む女性らを対象に、自立支援に向けて魚をすり身に加工する技術などを教えている。佐藤副理事長は「魚は栄養価が高く、捕り過ぎなければサステナブル(持続可能)な食材。食べ方を含め、魚の知識をきちんと伝えたい」と意気込んでいる。問い合わせ先はgyo@wff.gr.jp、専用サイトはhttps://hamachoku.jp。