トヨタ水素エンジン車、24時間耐久レースを完走
脱炭素社会に向け選択肢をアピール、課題は燃費の悪さ
トヨタ自動車は、サーキットを24時間走り続ける耐久レースに水素が燃料の「水素エンジン車」で参戦し、23日、完走を果たした。ドライバーの一員としてゴール時の運転を担当した豊田章男社長は記者会見で、「脱炭素社会に向けた選択肢を広げる第一歩を示せた」と強調した。
開発中の水素エンジンは、ガソリンエンジンと同じ仕組み。動力を発生させるのに水素を燃焼させるため、走行時に二酸化炭素(CO2)をほぼ排出しない。トヨタには他にも、ハイブリッド車、燃料電池車などの環境技術があり、車のCO2排出を削減する選択肢が電気自動車だけではないことをアピールした。
ただ、水素エンジンは燃費の悪さが課題で、レース中は頻繁に水素を補給する場面が見られた。今回の経験やデータを検証し、今後の開発に生かしたい考えだ。
ガソリンを混ぜず、水素だけを燃料にした水素エンジン車でレースを走行したのは世界初という。レースは22日から静岡県の富士スピードウェイで開かれた。