豊洲市場自慢の魚を直接購入、自宅でどうぞ
厳しい経営が続くなか移動販売が好調、リピーターも増加
新型コロナウイルスの影響で、厳しい経営が続く東京・豊洲市場(江東区)の仲卸業者が、市場を出て都内各地で魚を販売し、人気となっている。住宅街で豊洲お薦めの魚を専門業者から直接買えるとあって、リピーターも増えている。
同市場の仲卸「泉久」は、市場の開場日に都内を中心に1日2、3カ所で移動販売を実施。冷蔵庫付きの軽トラックで、許可を得た住宅地の駐車場に向かい、刺し身や水産加工品などを売っている。
マグロやキンメダイなどの刺し身パックや、3、4種の盛り合わせのほか、かす漬けや「西京漬け」の魚の切り身、イクラやタラコといった魚卵など商品は50種以上に及ぶ。
泉久の二村久義社長は、客に旬の魚を薦めるだけでなく「サーモンやヒラメ、タイなどの刺し身は、オリーブオイルや岩塩を付けるとおいしい」などと伝えながら販売。多い日には100人近い客が訪れるという。
一方、仲卸「倉田商店」は、加熱調理した魚介の弁当や総菜を移動販売。昼はオフィス街で魚料理中心の弁当を扱い、午後5時ごろには住宅街でさまざまな魚介の総菜を用意。晩ご飯のおかずや酒のつまみにもなる魚料理をキッチンカーで販売し、好評となっている。
新型コロナ感染がいつ収束するか分からないだけに、「市場で料理店などの仕入れを待つだけでなく、今後も市場を出て魚を販売していきたい」(倉田俊之社長)と話している。