イタリア中部でネアンデルタール人の化石を発掘
洞窟で9人分、伊文化財相「世界中で語られることに」
イタリア文化財・文化活動・観光省は8日、同国中部の洞窟でネアンデルタール人9人分の化石が発見されたことを明らかにした。現生人類と関連があると言われるネアンデルタール人の研究において重要な一歩となる。
発見されたのは首都ローマと南部ナポリの間に位置する都市サンフェリーチェチルチェーオにある洞窟。9人のうち8人は5万~6万8000年前、残り1人は9万~10万年前の化石とみられる。いずれも成人と考えられるが、1人は若者の可能性があるという。フランチェスキーニ文化財相は「世界中で語られることになる極めて重要な発見」と称賛した。
洞窟は土砂崩れにより外部と隔絶され、中身が手付かずのまま残っていたが、1939年に労働者の一団が偶然発見。2019年に新しい調査が始まった。発掘作業の責任者はネアンデルタール人がこの一帯で非常に広範囲に暮らしていたことを示していると語った。(ローマAFP時事)