軟骨魚類初、ゾウギンザメのゲノムを解読


シーラカンスより進化遅い、骨・免疫の病気解明期待

軟骨魚類初、ゾウギンザメのゲノムを解読

顎の先がゾウの鼻のような形をしたゾウギンザメ。軟骨魚類で初めて全遺伝情報(ゲノム)が解読された(米ワシントン大提供)

 軟骨魚類ゾウギンザメの全遺伝情報(ゲノム)を解読したと、シンガポールの分子細胞生物学研究所や米ワシントン大、北海道大などの研究チームが12日までに英科学誌ネイチャーに発表した。サメやエイなど軟骨魚類のゲノム解読は初めて。

 軟骨魚類は硬い骨がある魚類や爬虫(はちゅう)類、哺乳類の祖先から約4億5000万年前に分かれたとみられ、「生きた化石」と呼ばれる硬骨魚類シーラカンスより進化の速度が遅いことが分かった。

 成長過程で軟骨を骨に置き換えるのに必要な遺伝子群や、哺乳類などで免疫制御に重要な役割を果たす細胞がないことも判明した。一方でサメ類には丈夫で長生きする種があり、研究が進めば人間の骨や免疫に関連する病気の解明や、新治療法開発の手掛かりが得られるかもしれないという。

 ゾウギンザメはオーストラリアやニュージーランド沖の水深500~200メートルに生息。顎の先がゾウの鼻のような形をしており、海底に潜む甲殻類を探って食べる。軟骨魚類の中ではDNAが人間の3分の1に当たる約10億塩基対と少ないことから解読対象に選ばれた。遺伝子数は約1万9000個と推定された。