至仏山から尾瀬ヶ原を眺める


 日本百名山の一つの数えられる至仏山は尾瀬ヶ原を見下ろす格好の眺望台だ。尾瀬の玄関口、鳩待峠までは自動車乗り入れ規制のため、麓から乗り合いタクシーかバスでしか行けない。

 鳩待峠から歩き出す。山ノ鼻までは下りである。途中、うず高く荷物を背負った歩荷(ぼっか)を追い越して行く。
 山ノ鼻は尾瀬ヶ原の入り口であり、逆方向に行けば至仏山への登山口だ。多くの登山者が荷を下ろして休息し、次の目的地に思いを馳せる。

 山ノ鼻から見上げた至仏山は圧倒的な大きさで、堂々とした山容を青空の下に横たえている。至仏山は海底から隆起した山で蛇紋岩という特長のある岩石でできている。この岩が非常に滑りやすく、したがって山ノ鼻から至仏山頂上へ向かう登山道は規制され、登りの一方通行である。

 しかし、この道を下ってくると目の前に広大な尾瀬ヶ原が広がり、その向こうに燧ケ岳が聳えるという絶景を目にすることができるため、時々、ルールを破って逆行してくる登山者もいる。だが、蛇紋岩は非常に滑りやすく、この道を下りに使うのは確かに危険だ。

 山頂から西側は切り立った断崖になっており、眼下に首都圏の水源、奈良俣ダムのならまた湖が広がり、上越国境の山々が連なる。

 山頂から鳩待峠までは小至仏山を経るルートを取り、高山植物を眺めながらの山歩きとなる。

 峠のバス停には小学生の自然観察旅行や熟年登山グループなどが疲れた足を休めて、賑わっていた。

(群馬県片品村・岩崎 哲)

 日本百名山の一つの数えられる至仏山は尾瀬ヶ原を見下ろす格好の眺望台だ。尾瀬の玄関口、鳩待峠までは自動車乗り入れ規制のため、麓から乗り合いタクシーかバスでしか行けない。

 鳩待峠から歩き出す。山ノ鼻までは下りである。途中、うず高く荷物を背負った歩荷(ぼっか)を追い越して行く。
 山ノ鼻は尾瀬ヶ原の入り口であり、逆方向に行けば至仏山への登山口だ。多くの登山者が荷を下ろして休息し、次の目的地に思いを馳せる。

 山ノ鼻から見上げた至仏山は圧倒的な大きさで、堂々とした山容を青空の下に横たえている。至仏山は海底から隆起した山で蛇紋岩という特長のある岩石でできている。この岩が非常に滑りやすく、したがって山ノ鼻から至仏山頂上へ向かう登山道は規制され、登りの一方通行である。

 しかし、この道を下ってくると目の前に広大な尾瀬ヶ原が広がり、その向こうに燧ケ岳が聳えるという絶景を目にすることができるため、時々、ルールを破って逆行してくる登山者もいる。だが、蛇紋岩は非常に滑りやすく、この道を下りに使うのは確かに危険だ。

 山頂から西側は切り立った断崖になっており、眼下に首都圏の水源、奈良俣ダムのならまた湖が広がり、上越国境の山々が連なる。

 山頂から鳩待峠までは小至仏山を経るルートを取り、高山植物を眺めながらの山歩きとなる。

 峠のバス停には小学生の自然観察旅行や熟年登山グループなどが疲れた足を休めて、賑わっていた。

(群馬県片品村・岩崎 哲)

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